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ホテル予約エンジン - 最適な多言語対応

 ホテルの自社Web集客拡大ブログの第4回は最適な多言語対応について考えていきたいです。日本国内のインバウンド旅行者需要は東日本大震災が起きた2011年は622万人でしたが、それ以降年々増加し2019年には3,188万人まで増加しました。インバウンド旅行者の消費額は2019年には4.8兆円に達し、日本国内旅行消費額の約18%と高い比率を占めるようになってきました。宿泊市場にも当然その影響は大きく、2017年の4.3兆円といわれる宿泊市場規模のうち1.2兆円が訪日外国人からの売上です。2020年の現在はCOVID19の影響で一時的にインバウンド旅行者が消滅し、この市場自体が消滅するといった事態に陥っています。しかし、この状況が3年も5年も続くことは無いと私は考えています。俗にいうアフターコロナの状況下では、確実にインバウンド旅行者は戻ってきますし、その為の対策を打つといった意味では今は最大の好機でもあります。


 インバウンド集客を実現する自社Web予約システムを実現するためには以下の事項が重要だと考えます。

  1. 自社Webサイトが多言語化

  2. 言語別にSEO対策

  3. サイトパワーをあげるためにドメインを分けず同一ドメイン下で多言語サイトを構築する

  4. 日本人には人数単位でプランを販売するが、外国人には部屋単位でプランを販売する必要がある

  5. 子供料金区分も外国人にわかりやすいように多言語化する

  6. 会員組織も多言語化すると共に、ポイントプログラムも多言語対応する

  7. 上記を実行するために、日本語と多言語で予約エンジンを分けずに同一エンジンで実行する

 それでは、ひとつずつ解説していきます。まず1点目の自社サイトの多言語化です。ホテルとしてオペレーションを行っているわけですから、どの国からお客様がいらっしゃっているのかは把握していると思います。基本的にはお客様が予約しやすいように言語対応をするわけですので、来館されるお客様の出身地言語を対応すべきです。但し、全ての言語に対応しようとすると大きな費用が発生します。わたしも「タイ人のお客様が増えているのでタイ語も対応したほうがいいかな?」といった相談をよく受けます。しかしながら、よくよく調べてみると、訪れてくれているタイ人のお客様は富裕層であり非常に英語が堪能であり、予約から滞在中のコミュニケーションに至るまで全て英語で対応してもらえれば満足といったケースが多いことが多々あります。この場合、数百万円の多言語翻訳コストを支払ってまでタイ語対応をする必要はないと思います。

 

 わたし個人も2013年にスペインのイビサ島へ旅行へ行ったことがあります。宿泊はIbiza Gran Hotelへ宿泊しました。こちらは2008年に開業したホテルで確か2013年から自社Webサイトからの集客をしっかりと行い始めたホテルと聞いています。わたしはIbiza Gran Hotelの自社Webサイトから予約をし、宿泊したのですが、チェックインの時に「Are you Chinese?」と聞かれ、「No, I came from Japan」と返答したところ、自社Webサイトから予約してきてくれた初めての日本人ということがその場で判明し、ホテルのスタッフの皆さんと記念撮影をしたことをよく覚えています。ちなみにその写真ホテルの方のカメラで撮影しいただいていないのでこちらのブログに出せません。。。では、こちらのIbiza Gran HotelのWebサイトですが、7年経過した今は日本語対応をしていますでしょうか?答えはしていません。現在も、英語・スペイン語・ドイツ語の3言語対応になります。日本人が来てくれたことには非常に喜んでいましたが、その数を増やすために日本語対応をするにはコストがかかりすぎます。また、イビサまで自社Webサイトで予約して来てくれる日本人は殆ど英語ができるであろうとの目論見もあるはずです。わたし自身もIbiza Gran Hotelに滞在中は非常に楽しかったですし、将来チャンスがあればもう一回泊まりたいホテルになっています。


 つまり、多言語対応の言語数はコストとその成果のバランスであるのです。現在の日本国内においては、英語・簡体字中国語・繁体字中国語・韓国語の4言語を多言語対応として対応していれば訪日客の90%以上をカバーできるので問題ないと考えています。


 2点目の言語別にSEO対策について説明していきます。triplaのウィジェット型の宿泊予約エンジンはiframeが立ち上がる形式になっておりますので、iframe内のSEO対策は施せません。しかしながら、どうしても予約エンジン内においてもSEO対策を行いたいといった場合には、サブドメイン上に予約エンジンを設定することが可能となっています。この場合、基本的なSEO対策に対しては全て対応できる形になります。SEO対策の詳細まで説明しますと非常に長くなりますので割愛しますが、こちらの記事がよくまとまっておりましたのでご紹介します。


 3点目のドメインの統一について説明していきます。私のこれまでのホテル業界とのお付き合いの中で驚いたことの一つがドメインが割れることにあまり気にしていないと言うことです。例えば、ABCホテルと言うホテルが https://abc-hotel.com と言うURLのもとに日本語ページを運営しているとします。この時のドメイン構成の正解はこちらだと考えます。

日本語: https://abc-hotel.com

英語: https://abc-hotel.com/en

繁体字 https://abc-hotel.com/zh-hant

簡体字 https://abc-hotel.com/zh-hans

韓国語 https://abc-hotel.com/ko

日本語ドメインの後に"/"が入り、その後言語の種別が入ればわかりやすいです。こちらがディレクトリで言語対応をするといった形です。


 このABCホテルが渋谷と京都にそれぞれ施設を持っている場合、下記の様な形が一般的ですね。施設が先で言語が後でも良いのかとも思いきや、チェーンホテルの場合は、各言語別にトップページがあった方が良いので、言語/施設の方が使い勝手が良いと思います。

日本語: https://abc-hotel.com/shibuya https://abc-hotel.com/kyoto

英語: https://abc-hotel.com/en/shibuya https://abc-hotel.com/en/kyoto

繁体字 https://abc-hotel.com/zh-hant/shibuya https://abc-hotel.com/zh-hant/kyoto

簡体字 https://abc-hotel.com/zh-hans/shibuya https://abc-hotel.com/zh-hans/kyoto

韓国語 https://abc-hotel.com/ko/shibuya https://abc-hotel.com/ko/kyoto


 各サイトにtripla予約エンジンウェジェットを設定していただけば、それぞれのWebサイトにて予約が完了します。


それでは、悪い事例をあげていきます。


悪い事例1: 日本語と外国語でサイトのドメインが異なるケースです。例えば、日本語は、https://abc-hotel.comなのに、外国語のドメインが、https://hotelabc.com となぜか謎にドメインを変えているケースです。SEOも全く別で行う必要がありますし、Webマーケティングを実施して集客しようにも集客コストも2倍になります。「コンサルに言われたのでこうしてます」と言われることもありますが、メリットがないので変更をおすすめます。


悪い事例2: 予約エンジンが立ち上がる際に、予約エンジン会社のドメインが立ち上がるケースです。公式サイトは、 https://abc-hotel.com なのに、予約エンジンが立ち上がると、 https://hotelreservationcompany.jp といった別サイトが立ち上がり別サイトの中で予約を行うといった事例です。予約エンジン内にはプランの情報や、価格の情報、お客様が欲する情報がたくさんありますが、全てSEOの対象にはなりません。加えて、別サイトに遷移するためお客様からの信頼も同一ドメイン内予約と比較すると落ち、予約率へも影響を及ぼします。また、更にひどいケースでは、お客様が予約の際にクレジットカードで決済しようとすると、今度はクジレットカード決済を提供している会社のドメインに更に遷移するといったケースです。もうお客様は今どこにいるのかわからなくなります。Amazon.co.jpで買い物をしていて、商品を買い物カゴに入ったらAmazon.co.jpではない謎の https://shoppingec.com の様なドメインに遷移していて、クレジットカードで最後に決済しようとしたら更に謎の https://eccreditcardpayment.com の様なドメインへ遷移する。この様なUX/UIをAmazonが許すでしょうか?答えは100%NGです。どこか詐欺サイトへ誘われているのではと私なら疑います。


悪い事例3: 日本語と外国語で全く異なるCMSを使っているため、外国語のSEO対策が全くできていない。ドメイン割れとは異なりますが、手抜きになっている事例です。よく見かけるのは、日本語のドメインは https://abc-hotel.com であるが、外国語のドメインが https://en.abc-hotel.com とサブドメインを使用しているケース。サブドメインを使用して外国語サイトを作成しています。サブドメインは現在SEOへも引き継がれるので同一サイトとして認識され問題ありません。しかし、運用するCMS自体が別物で、日本語はウェブ制作会社に任せたのでSEO対策をしているが、外国語はOTA等が提供するCMSを使用いていて全くSEOをしていないといった状況です。これにも注意してください。


 4点目の言語による販売単位の変更です。こちらはホテルマンの方ですとすぐにピンとくるはずです。日本人は主に人数単位の販売形式に慣れています。おそらく旅館の考え方が基本的にあるからだと思います。旅館は食事が振る舞われますので、何人泊まるかが料金の基本になるためです。一方で、海外ホテルの考え方は部屋単位での販売形式になります。部屋によって定員はありますが、ダブルの部屋に一人で泊まっても二人で泊まっても料金は変わりません。私も米国に住んでいた時に友達と4人で旅行し同じ部屋に泊まってすごく割り勘したら安かったことを覚えています。


 triplaでは、言語によってプランの出し分けが可能で、そのプランを人数単位で販売するのか、部屋単位で販売するのかを選択することが可能になっています。

 プランを表示する言語ですが、全言語に表示するのか、日本語だけか、外国語だけかをプランによって選択が可能です。また、そのプランを人数課金で販売するのか、部屋課金で販売するのかも可能になっています。こちらの機能を活用することでお客様ニーズに沿ってプランを作成していくことが可能になります。この機能が無いために、日本語サイトは日本国内の予約エンジン、外国語は海外の予約エンジンと2種類の予約エンジンを導入している施設もありますが、労力と費用の無駄です。是非、こちらで集約してみてはいかがでしょうか?


 5点目は外国語での子供料金区分の表示になります。4点目では外国人には主として部屋単位での販売と申し上げましたが、このお作法を日本の旅館にも適用するには少々ハードルがあります。なぜなら、食事と寝具の用意が旅館には必要であるからです。小学生以下の子供に対して、大人料金をいただくのか、提供するサービスに従って、食事と寝具の有り無しで料金を可変するパターンです。日本国内の予約エンジンではこの多言語対応にまで対応していないケースがいいですが、triplaではしっかりとサポートさせていただいています。


 子供の年齢によって提供できるサービスが異なることがわかります。中国語、韓国語でも同様に表記ができます。


 6点目は会員組織・ポイントプログラムの多言語化です。多くのホテル会員プログラムは日本語ができる方向けに作られています。冒頭に述べた通り、インバウンドの宿泊売上は1.2兆円に達しており、長期滞在者やリピーター割合も非常に高いといった現状があります。一度宿泊していただいたインバウンド客に再訪してもらうためにも多言語会員組織があると手助けになると考えます。tripla社も台湾へ進出しているため私もコロナ前には台湾へ頻繁に訪れていました。同じホテルに宿泊することも多いので会員プログラムがあれば間違いなく入会しますね。日本よりもリピート率高いのでは無いかと思います。

 言語別に会員プログラムの名前を変更したり、会員に入会していただく時の規約文言の変更も可能になります。確かに、中国語や韓国語まで全て対応するには少々大変ですが、英語のみ対応するでも効果は期待できると思います。


 7点目は予約エンジンの統一です。これまで1点目から6点目まで解説してきましたが、この対策を日本語・外国語のそれぞれの予約エンジンに対して講じていくとなると労力がかかります。同じ予約エンジンを日本語にも外国語にも適用し、対応していくことで労力が削減できることは間違いありません。多言語対応はついつい面倒になって怠りがちです。しかし、もう一度言います。今はコロナ化でインバウンド観光客は減っておりますが、コロナ前は1.2兆円の市場であったのです。アフターコロナに備えてしっかりと準備をしていきましょう。





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