ホテル予約エンジン - ベストレート保証の自動化


ホテルの自社Webサイトで頻繁に見かけます「ベストレート保証」という言葉ですが、一体どのようにして保証しているのでしょうか?


殆どのホテルでは、お客様からお電話もしくはメールにてお問い合わせがあり、「Expediaで見たらホテルのWebサイトで予約するより安いのですが・・・」といったお客様の声を直接聞いて、その場で値引きをしているケースになります。


このカスタマーエクスペリエンスはいかがなものかと私は普段から考えていました。Eコマースの世界、特にAmazon.comでは価格を "Sharp" にすることが必須課題にあげられています。Amazon.comでは競合の価格を常にモニタリングしており、Amazon.comよりも競合が低い価格で販売している場合、その価格に自動的にAmazon.comが合わせにいきます。その理由は、お客様がAmazon.comで買い物をして、「あー損した。他で買えばもっと安かったのに」と思わせない為です。誰でも同じ気持ちになりますよね。同一の商品であったり同一のサービスであれば価格の安いチャネルで購入するのは消費者の基本的なマインドセットです。


お客様から指摘があって値下げをするのではなく、ブランド力を持って販売している自社Webサイトでは常に競争力のある価格にするべきだと私は考えております。OTAが自社Webサイトよりも安い値段で販売している場合、お客様はOTAが規模の経済性を生かして値引きしているんだなとは思いますが、ホテルが戦略的にOTAの価格を値引きしているとは誰も思いません。ですので、お客様からの電話やメールでの指摘に応じて価格を下げるなんて私はNGであると思います。お客様からしたら「だったら最初から下げておけ」と思いますし、なぜその為にお客様が時間と労力を使って電話をさせるという最低のカスタマーエクスペリエンスであるからです。


自社Webサイトのブランド力を向上するための第一歩は、「価格でお客様を裏切らない」です。では、価格で裏切らない為にはどういった仕掛けをしていけば良いのでしょうか?


OTAは季節性や旅行者の需要喚起に応じてダイナミックに価格を変更していきます。その価格変更を毎日モニタリングして価格を変更していくことはレベニューマネジャーにとって不可能な作業になります。そもそも朝は12,000円で販売していたお部屋が夕方には10,000円で販売されていることもある為です。また、殆どのレベニューマネジャーは最低価格は確認していますが、それ以外の価格の比較まではモニタリングできていないことが現状だと思います。多くのホテルにとって最低価格は、シングル素泊まりになります。ツインやダブルの朝食付きまで毎日モニタリングすることは可能でしょうか? しかも向こう3ヶ月くらいの予約可能日全てとなると不可能だと思います。


triplaの「OTA価格取得」及び「ベストレート」機能を活用することで、こういった作業が自動化することが可能になります。triplaで現在モニタリングできるOTAは「Expedia」、「Booking.com」、「Agoda」、「楽天トラベル」、「じゃらん」の5社になります。設定のステップは

  1. tripla管理画面でボタンひとつで各OTAに掲載されているプランを抽出

  2. 自社Webサイトの掲載プランとOTA掲載プランを紐付け

  3. ベストレート設定でOTA最低価格よりいくら価格を落とすかを決める。Parityの場合は0円

以上で設定は完了です。

設定が完了すると、設定したOTAの価格が自社Webサイトの価格と合わせて表示されます。上記の例では、楽天トラベルは44,000円と自社Webサイトの元々の価格と同一価格で販売していますが、Agodaは40,986円で販売しています。設定では、OTAの最低価格より500円安く販売するとしているので、このAgodaの価格から500円を引いた40,486円で販売することが自動的に可能になります。


よくホテルよりAgodaが1円で販売したら自社も1円になるのか? とお問い合わせを受けることがあります。答えは「はい」でありますが、「いいえ」でもあります。こちらも管理画面から設定が可能で、OTAの最低価格からX円もしくはY%の値下げまでついて行くという設定も可能になりますので、この設定をしておけば、1円で販売されることはありません。


では、何%引きまでついていくのが正解なのでしょうか? 私個人の意見ですが、このY%を試算する為には、ホテルはNet ADRをモニタリングすべきであると考えています。


どのホテルもADRはよく確認されております。回答率はほぼ100%です。しかしながら、Net ADRを尋ねると回答していただけるホテルは5%以下なのではないでしょうか。。。Net ADRは販売するのに要する経費を差し引いたADRになります。例えば、OTAの手数料やOTAへ支払っている広告費を販売金額から除いたADRになります。


具体例で説明いていきます。

自社Webサイトで100部屋を販売し、売上が5,000,000円であった場合のADRは5,000,000÷100=50,000円になります。自社で販売しており、自社HPの運営費用が月間200,000円かかっている場合には、Net ADR = (5,000,000 - 200,000)÷100 = 48,000円になります。


一方で、外資系OTAで月間200部屋を販売し、売上が10,000,000円であった場合のADRは同じく、 10,000,000÷200=50,000円になります。手数料が15%で他に広告費用として500,000円支払ったとすると、Net ADR = (10,000,000 - 1,500,000 - 500,0000)÷200 = 40,000円になります。


つまり、外資系OTAで販売すると同一価格で販売したとしても17%も利益率が低いことが分かります。尚且つ、自社Webサイトの売上が増加しても固定費部分が変わらないとしたら、販売が2倍になったと想定すると、Net ADR = (10,000,000 - 200,000)÷200 = 49,000円とNet ADRを上げることもできる試算になります。


こういった分析から、わかることは、40,000円で仮に自社Webサイトで販売しても海外OTAのNet ADRとほぼ同一であるため、20%引きまではついていこうという結論が出せるわけです。ホテルの自社Webブランド力をより信頼度の高いものにしたい場合は25%もしくは30%までついて行くといった設定もありかと思います。


また、もうひとつ考慮すべき点があります。それはOTAが発行しているポイントです。OTAが販売価格の2%のポイントを発行しているとすると、上記の例では、50,000円に対して1,000ポイントが発行されていることになります。お客様は1,000ポイントを使用して次回の旅行にいかせるのでホテルの自社で同一の50,000円で予約することはしないでしょう。


対応策は2つあります。


1つ目は、ホテルの自社Webサイトにおいてもポイントを付与することです。triplaであればポイント機能を標準機能として提供していますので、いますぐ対応が可能になります。尚、triplaの機能拡張として近日中にホテルの自社ポイントをAmazonやApple等々のポイントとの交換機能もリリースします。そうなりますと、OTAのポイントよりもより魅力度をお客様に提供することも可能になります。


2つ目は、OTAのポイント付与率分を値引きするという方法です。上記画像の例では、Agodaの価格に対して500円を引くといった設定をしていますが、こちら%で引くことも可能です。ですので、OTAの最低価格に対して更に2%値引きするといった設定をすることでお客様は自社Webサイトでの予約動機がグッと上がるのです。


以上、今回はベストレート機能について説明してきました。価格はお客様にとって予約の意思決定をする重要な要素ですので是非活用してみてください。

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